苦労はしなければならない

動画を倍速視聴すると脳はどうなる?

YouTubeやNetflix、あるいは大学の講義まで、多くのコンテンツが速度調整に対応しているため、
倍速での視聴はもはや当たり前のテクニックになっています。
実際、アメリカ・カリフォルニアの学生を対象とした調査では、実に89%がオンライン講義の視聴速度を変更していたと報告されています。

しかしこの「便利な技術」は、私たちの脳にどのような影響を与えているのでしょうか?
情報が速すぎると、処理が追いつかなくなり、記憶として定着しにくくなるのです。

ウォータールー大学(University of Waterloo)の2025年の研究では、講義ビデオに関する24件の研究をメタ分析として集約しました。
各研究のデザインは様々ですが、おおむね次の通りでした。

被験者をランダムに分けて、あるグループには1倍速(等速)で講義動画を、
別のグループには1.25倍、1.5倍、2倍、2.5倍といった速度で再生するというものです。
そしてメタ分析の結果は極めて明快でした。

1.5倍速までであれば、記憶力・理解力の低下はごくわずかでした。
しかし2倍速以上になると、中程度の悪影響が確認され、明確な成績低下が見られました。

たとえば平均点75点のテストでは、再生速度を1.5倍に上げると平均点が2点下がり、
再生速度を2.5倍に上げると平均点が17点下がるほどの影響があると分かりました。

倍速再生の「処理負荷」は、確実に私たちの記憶力や理解力にマイナスとなることが、科学的に明らかになっているのです。

公立の学校に通う私の子供は、タブレットを使った学習をしています。
授業はタブレット、お知らせもタブレット、夏休みの宿題でもタブレットです。
しかし先日、記憶の定着において、マイナスであることがニュースになりました。

私も動画を視聴する時は、つい再生速度をあげてしまいがちです。
また、私の場合だとそういった時は、あまり集中をしていなかったり、他のことをしながらだったりと見方が雑にもなります。
結果、見たという記憶は残りますが、きちんと理解できたかというのは怪しいところです。

テクノロジーは進歩しましたが、人間の能力は変わっていません。
どんなに便利になったとしても、人間はアナログであり、デジタルにはなり得ません。
スピリチュアル的な観点では、この世は様々な経験するための場所です。
やはり人間は苦労をしなければならないようにできているようです。