遺伝のエピジェネティクス

父親の年齢で子の発生運命が変わる―シロアリのエピジェネティック遺伝を世界初証明―

本研究では、若い王と高齢の性的に成熟した王をそれぞれ同じ年齢の女王と交配させて比較したところ、若い王の子は繁殖個体になる傾向が強いのに対し、高齢の王の子は働きアリとして分化する割合が高いことが分かりました。
精子のDNAを解析した結果、年齢によってDNAのメチル化パターンが大きく変化し、その一部の遺伝子が子のカースト決定に関与している可能性が示されました。

この成果は、遺伝情報の違いではなく、親の年齢や性的発達状態の違いが子の発生運命を左右する「エピジェネティックな遺伝」の実態を明らかにするもので、昆虫の社会進化だけでなく、広く生物の発生や進化の理解に大きな示唆を与えるものです。

生物としての一番大きな本能は、まず子孫を残すことです。
食欲も、睡眠欲も、性欲も、結局は種の保存の延長にしか過ぎません。

若いオスであれば、より多くの健康な子孫を残せるチャンスが増えます。
高齢のオスでも子孫は残せますが、異常等のエラーが増えることは避けられません。
種の保存を優先するのであれば、生殖に関わる個体の方が圧倒的に重要です。
それであれば、最初から、高齢のオスには重要な役目は任せない。
エピジェネティクスに賢さを感じると同時に、少し怖さも感じます。

人間においてはどうなのでしょうか?
アリと同じように考えることはできませんが、やはり繁殖は若ければ若い方がリスクが少なくて済みます。
実際、父親が高齢だと、子の神経発達障害のリスクが上昇するという報告があります。
現代は高齢出産が当たり前になっていますが、やはりこれは不自然です。
今後、人類の存続に関わる、大きな問題になってしまうかもしれません。