感覚の素晴らしさ②

先日は視覚の部分についてお話をしましたが、今日は触覚についてです。

オステオパシーには傾聴という技術があります。一般的には相手の言葉に耳を傾けることを言いますが、オステオパシーでは身体の声に耳を傾けるという意味で使われています。

施術をすべき場所というのは、体内で制限を作り出している組織です。
制限は、他の組織を引っ張り、正常な動きを妨げます。この引っ張る力は小さなものですが、体内においては不調を生み出す原因になります。

傾聴のやり方はこうです。場所はどこでも構いませんが、身体に触れて、そのまま何も考えずに制限を感じます。手の引かれる方向がその場所です。この時、オステオパシーの施術家は、視覚による体内のイメージと、繊細な触覚を用いて、施術をするべきポイントを探し出します。

一流の施術家は、制限のポイントが分かるだけでなく、その制限が発生した原因、時期、エネルギーの流れ、他の組織に及ぼす影響なども分かるそうです。人間はウソをつきますが、身体はウソをつけません。触れるとは、問診以上に多くの情報を受け取れる手段かもしれません。

面白いのは、人によって傾聴の結果が違う場合があるということです。
例えば、筋肉しか知らなければ、原因は筋肉になります。しかし、骨を勉強すれば、原因は筋肉か骨になります。さらに、内臓を勉強すれば、原因は筋肉か骨か内臓になります。傾聴は、自分の持ち物によって見える世界が変わってきます。

人間は知れば知るほど奥の深い存在です。肉体にはその先も、その先の先もあるとは思いませんでした。一流の先生ほど、多分野に興味を持ち、色々なことを知っているのは事実。難しく果てのない道ですが、完全なる透き通る世界が、目指すべき目標です。