ユスリカ大量発生の意味
万博会場に大量の虫 専門家が「シオユスリカ」と確認 「今の状況は当分続く」夏・秋も飛び続けるか 対策進めるも発生源は広大な池「ウォータープラザ」の可能性
取材した5月20日の天候は晴れ。ここ数日続く蒸し暑さでジメッとした感覚が肌を包む中、大屋根リングの上へ。
すると、日影を中心にびっしりと止まる小さな虫の姿が。
人が立ち入れないフェンスの先には、”じゅうたん”のように積もった虫の死骸もありました。
リングの下でもトイレなど水回りを中心に目撃されていて、会場の南側、大屋根リングで海がせき止められた池「ウォータープラザ」の近くで発生しているようです。
<シオユスリカとはどのような虫ですか?>
・海と川の境目、河口や潮だまりなど淡水と海水が混ざる水辺に生息していて、日本国内でもよく見られる種類。
・高く昇っていく習性があり、リング上に大量にいてもおかしくない。
<なぜ万博会場で大量に発生している?>
・通常、”自然界”にはシオユスリカの幼虫を食べる魚など天敵が存在し、1箇所に大量発生することはあまりない。
万博会場には天敵がいないのではないか。
・ウォータープラザには天敵となる魚が少なく、水が滞留している。
ここの水が発生源になっている可能性もある。
<今後はどうなる?>
・発生するシーズンは7月中旬ごろまで続き、同様もしくはいま以上の状況は当分続くのでは。
夏が終わっても9月中旬以降、またシオユスリカの発生が始まる。
・また夏には南方系の別の「ユスリカ」が発生する可能性もあり、すでに別のユスリカが大量発生していてもおかしくない。
<対策は?>
・発生源の水たまり、水源を潰すこと。潰せない場所では羽化防止の薬剤を撒いて発生を抑えることが重要。
万博の開催地は、元々多くの野鳥が生活していた場所だったそうです。
ユスリカは野鳥たちの餌となるため、そこには共生関係が存在していました。
その関係性が損なわれた今、こういった状況になってしまうのも仕方がありません。
現場では、このユスリカの大量発生に対し、殺虫剤でなんとかしようとしています。
しかし、それは対処療法であり、原因には対処せず、目先の数を減らしているだけです。
活動のシーズンが終わるまで、いたちごっこは続くでしょう。
地球は、人間の持ち物ではありません。
すべての資源は地球の共有財産であり、人間が権利を声高に叫んでいいものではありません。
万博は多くの利権が絡んだビジネスです。
開催地の選定の際に、野鳥の問題も提起されていたようですが、結局は強行されてしまいました。
その結果、生態系の絶妙なバランスが崩れ、こうした事態を招いてしまったのです。
自分さえ良ければ、今さえ良ければ、お金さえもらえれば。
目先の利益にばかり囚われてしまうと、後で大きなツケを払う羽目になります。
ただ殺虫剤で退治するのではなく、この自然の鉄槌の意味を、もう少し真剣に考えるべきなのではないでしょうか。

