健康と美味しいは違う
良い食べ物とはどんなものでしょう?
野菜なら、農薬を使って栽培したものよりも、無農薬の有機農法の野菜の方が良いイメージがあります。
卵なら、狭いスペースで飼育された鶏が産んだ卵よりも、平飼いでのびのび育てられた鶏が産んだ卵の方が良いイメージがあります。
実際に、後者の方が栄養価が高く、味の面でも美味しいというエビデンスがあります。
自然の環境で育てられたものは美味しく、身体にとって良い食べ物なのです。
しかし、身体に良い=美味しいが成り立たない食べ物もあります。
霜降りの牛肉は非常に美味しいですが、実は、とても不自然な環境で育ったものだからです。
生理学的に考えると、脂肪の細かいサシが入った筋肉は、身体にとっては異常な状態です。
よく動いている筋肉は、赤身が当たり前であり、通常、脂肪が入り込むことはありません。
例えば、呼吸によって絶えず動いている横隔膜は、普通は間違いなく赤身の肉なのです。
この横隔膜は、焼き肉ではハラミと言われる部位です。
肉は、脂があった方が美味しいので、ハラミでも霜が入ったものが好まれます。
しかし、細かい脂が入った横隔膜は、健康の面から考えると、とんでもなく不健康な状態です。
霜降りの牛肉は、大量の餌と、あまり運動させないことによって作り出されます。
そういった牛は、そもそも太りやすい遺伝子を持った病気になりやすい体質と言えます。
過剰に脂肪を蓄えさせる飼育によって、横隔膜のような部位にも脂肪が回るようにし、霜降りは作られているのです。
霜降り牛はビタミンの供給制限もされています。
これは脂肪を効率よくつけさせるためですが、このために健康上の問題が起こります。
具体的には、失明、夜盲症、関節炎、食欲喪失が起こるのですが、超メタボリックに育てられた牛は、その症状がなくても長生きはできません。
時々、牛肉の買取価格が下がって、泣く泣く出荷する生産農家がニュースで話題になります。
私たちは出荷を先延ばしにして、買取価格が上がった時にまた出荷すればいいじゃないかと考えます。
しかし、出荷が先延ばしになると、不健康な牛が死んでしまう恐れがあり、それは出来ないことなのです。
とても美味しいけど、実は霜降りの牛肉は、気を付けなければいけない食品です。
食べるとは、その命を貰うことであり、そこに意味があります。
栄養の面では同じだったとしても、インスタントと生鮮食品は全く別のものです。
病気のものを食べるより、健康なものを食べたほうがいい。
人工的に作り上げられた食品は、そういった意味でも注意が必要なのです。

