減らすことの美学
脳細胞は生後1~2か月後に一番数が多くなりますが、その後は数が増えません。
大脳の神経細胞は約140億個、大脳の深いところや小脳までを含めると1000億程度だそうです。
大人の脳は、子供の約3倍ほどですが、これは脳細胞を支える細胞やネットワークが増えるためです。
脳細胞は一部を除いて、どんどん数が減っていきます。
25歳以上になると、1日に10万~20万の脳細胞が死んでいくと言われています。
これだけを聞くと非常に心配になりますが、90歳で6%程の減少だそうです。
筋肉量は70歳で30%低下すると言われているので、脳細胞は健闘している方なのではないでしょうか。
素人考えでは、脳細胞が増えたほうがいいような気がしますが、身体はなぜ減らすのでしょうか。
それは、脳細胞を減らすことで、神経の回路の効率を上げているためです。
脳の回路が多いと、外部からの刺激に反応しやすくなります。
例えば、ADHDは多動性や衝動性が有名な症状ですが、これは脳の回路が多すぎるための反応です。
自分の意志とは無関係に、脳が勝手に刺激を拾って反応してしまうのです。
年を取るにつれて、脳の回路はどんどんと洗練されていきます。
経験とは、脳内における反応経路の増強であり、その実は不要な脳細胞の刈り取りです。
増やすのではなく、あえて減らし、元々あるつながりを強化することで脳は最適化をしているのです。
何事もそうですが、時には、減らすことも必要です。
選択するにあたって、決して増やすことだけが正解ではないのです。

