読書録 vol.14
職業は専業画家 福井安紀
患者さんに表具の職人さんがいるのですが、業界の話を聞くと相当に厳しいらしいです。
その理由はいくつもあるのですが、
掛け軸や衝立に興味を持っている人が少ないため、そもそも元々マーケットの規模が小さいこと。
材料費の高騰によって利益が出しにくくなっていること。
それによって採算が取れなくなり、廃業するところが増えていくこと。
高齢化や後継者問題によって、先細っていく未来しかないこと。
いずれは無くなる職業なのではないかと、切に語られていました。
表具は絵画の装飾ですが、その大元の絵画自体、取り巻く環境は厳しくなっています。
多浪して入るのが当たり前の東京芸大に受かったとしても、食べていけるのはほんの一握りです。
苦労がなかなか報われない、本当に本当に厳しい世界です。
そんな話を聞いていた時、気になったのが”職業は専業画家”という本です。
失礼かもしれませんが、著者の福井安紀さんという方は決して有名ではありません。
しかし、自分で道を切り開き、専業画家として現在生活できていると言います。
この本では、画家で食べていくためのノウハウが惜しげもなく公開されています。
しかし、決して画家だけに有効な内容ではありません。
分野は違いますが個人事業主として食べていく私にも、考え方が大いに参考になりました。
この中で、
兼業と専業では成長していくスピードが全然違う。
だから早く専業に切り替えた方が良いと書かれているのですが、それは私も大いに共感できました。
自分で言うのも何ですが、開業してからは、進化のスピードが段違いのように感じます。
やはり向き合うための時間や覚悟が、そうさせるのではないでしょうか。
私も開業するまでは色々とやらない理由を探していましたが、今考えるとすべて言い訳のように感じます。
日々、自分の成長を感じられる今の環境を考えると、本当に独立して良かったなと感じます。
他にも、絵画業界の裏話的な話もあり、単純に読み物として面白い一冊です。
自信を持っておススメします。

