感覚の素晴らしさ
人間の感覚には素晴らしいものがあります。
ミクロン単位を感じる指先とそれを調節する職人の技、ソムリエの産地と年代を特定する舌のワインの記憶、気候の変化で焼き上がりを調整するパン職人など、これらは機械では再現することが難しい、磨き上げられた感覚のなせる業です。
私たちのような施術家にとっても、感覚は最も重要なポイントです。
われわれは、病院とは違ってレントゲンやMRIなどの画像による検査ができません。頼れるのは己の感覚のみ。触る、動かす、見る、五感をフル活用して身体からの情報を受け取ります。
その中でも今日は視覚についてのお話です。
みなさんは大人気漫画、鬼滅の刃を読んだことはありますか?
あの中で、集中することで鬼の体内が見えるようになる、透き通る世界という描写があります。あそこまで見えるわけではありませんが、キャリアを重ねていくうちに、私も、身体の中が透けて見えるようになってきました。いや、見えるというと語弊があるかもしれません。頭の中に体内のイメージが映し出されるのです。
ベテランの先生に言わせると、もっと上の世界があり、完全に身体が透けて見えて、悪いところまで分かると言います。さらに、触れば悪いところに勝手に手が引かれ、手が自動で施術を始めるとのことです。ゴッドハンドとはこのことかもしれません(笑)
さすがにそこまでの感覚を持ち合わせてはいませんが、そういったお話を聞くと嬉しくなります。頂は高く、道は険しいかもしれませんが、それを目指すだけの価値があります。施術家たるもの、現状に甘んじることなく、先人の見た景色を、同じように眺めてみたいものです。

