菌と共生するガン
目には見えませんが、人間は120兆個の菌と共生しています。
菌は人間の代謝物によって繁殖し、また人間も菌の活動によって助けられています。
代表的なものが腸内細菌で、人間の消化吸収を手助けしているのは良く知られた事実です。
しかし、人間だけではなく、ガン細胞も菌の働きを利用しているようです。
ガン細胞は非常にしたたかな細胞で、これまでも免疫を欺くような働きが発見されていました。
例えば、免疫の要であるT細胞を抑制する物質を分泌したり、隠れ蓑で免疫に見つからないようにしたりと、決して単純な細胞ではありません。
今回発表された研究でも、
”口腔ガンと大腸ガンの中に生息している細菌は、人間の免疫反応を抑制し、ガン細胞がより速やかに広がるのを助けることによって、ガンの進行を直接促している”ことが示されたそうです。
さらに、
”全体的に腫瘍の中の細菌を含む領域は、細菌を含まない領域よりも強く免疫が抑制されている。
また、細菌が多い部分には血管が少なく、ガンを破壊するT細胞も少ない。
逆に免疫を抑制して腫瘍の増殖を促す骨髄系細胞が多く、ガン細胞は増殖や移動の能力が高かった。”
ということでした。
そして、
”今回の研究では、既存の抗生物質の15%が、抗ガン剤になる可能性を持つことを示している。
既存の薬を再評価すれば、抗ガン剤および抗菌薬として有効なものが見つかるかもしれない。”
と結んでいました。
実は、ガンと関係していると報告された細菌は、常在菌としてありふれているものです。
ガンが菌の働きを利用していることには驚きでしたが、抗生剤が本当に効果的なのでしょうか?
細かく見ればガンを助けているのかもしれませんが、それは枝葉なような気がします。
重要なのは不健康によって、菌の働きがコントロールできていないことにあるでしょう。
やはり、土台である身体の状態こそ、問題の大きな根っこなのではないでしょうか。

