只より高い物はない

行動経済学という学問があります。
”人が直感や感情によってどのような判断をし、それが人々の幸福にどのような影響を及ぼすのか”
を研究する学問です。

この中に”ゼロ価格効果”というものがあります。
”ゼロ価格=無料”は特別な価格です。
例えば医療の話ですが、無料から少しでも値段を上げると、病院を受診する率が4.8%下がるそうです。
うがった見方をすれば、タダだからと受診している人が一定数いるということです。

過去に夕張市は、財政破綻した影響で医療のサービスを大幅に下げざるを得ないという事態に陥りました。
市民病院が無くなり、設備面で大幅に劣る診療所だけになってしまったのです。
171床あったベッド数も19床へと激減し、完全なる医療崩壊へと陥りました。

市民の健康への深刻な問題が危惧されましたが、意外なことが起こりました。
がん、心臓病、肺炎で亡くなる人が減り、多くのお年寄りが自宅で老衰で亡くなるようになったのです。
また、高齢者1人当たりの年間医療費も80万円から70万円へと減少したそうです。

自分の身体は自分で責任を持つべきであり、本来、人任せにするべきではありません。
健康とは日頃から生活に気を付けることが大事であり、薬で何とかするものではないのです。
夕張市の例は、人々の意識の変化の重要性や、いかに不要な薬が出されているかの証明でしょう。

国民皆保険は素晴らしい制度です。
しかし、これによって健康が一部損なわれているのは紛れもない事実。
なんとも皮肉なお話です。