怖い鉄の作用

先日は貧血についてお話しました。
貧血の治療のためには、鉄剤が処方されるのが一般的です。
しかし鉄には、怖い一面も存在しているということは覚えておかなくてはなりません。

鉄は、体内において必要不可欠なミネラルです。
ヘモグロビンは赤血球の色素であり、その主成分は鉄です。
血液は全身に酸素を運搬しますが、これには鉄の働きを利用しています。
貧血の症状には、疲れやすい、動悸、息切れ等がありますが、これは酸素不足が主な原因です。

私たちは鉄が非常にサビやすい金属であることを知っています。
料理をする人なら分かると思いますが、鉄のフライパンは手入れが雑だと簡単にサビてしまいます。
身体は、酸素の運搬においてはこの性質を利用していますが、他においては非常に厄介なのです。

老化の大きな原因は、酸化が大きく関係していると言われています。
生物は酸素を用いてエネルギーを作り出していますが、取り込んだすべてが、使われる訳ではありません。
残りの2~3%は、活性酸素として体内に生じています。

酸素は他の物質と結びつきやすい性質があります。
特に、活性酸素は他の正常な細胞の電子を奪ってしまうため、状態を不安定にしてしまいます。
これを酸化といいますが、タンパク質や脂肪などの細胞が破壊されるため、老化が加速してしまうのです。

鉄がサビやすいということは、これもまた過剰な摂取は老化を促進してしまうということです。
鉄剤を飲んで改善すればいいですが、そうでない場合は毒でしかありません。
鉄の取り扱いには、本来、くれぐれも気を付けるべきなのです。