臓器の制御の仕組み
臓器を個別に制御する自律神経の仕組みを解明 ~交感神経の理解をメジャーアップデートへ~
理化学研究所(理研) 生命機能科学研究センター 比較コネクトミクス研究チームの播磨 有希子 基礎科学特別研究員(研究当時)、宮道 和成 チームリーダーらの共同研究グループは、マウスを用いて、副腎と腸管の機能をそれぞれ制御する交感神経の異なるサブタイプが脊髄の中に存在することを発見しました。
本研究成果は、交感神経による全身の臓器機能の制御に関して、臓器やその機能ごとに専用のサブタイプが用意されているという新しい概念を提案し、将来的に臓器機能の不調を原因とする疾患の治療戦略に貢献すると期待できます。
ヒトを含む動物のさまざまな臓器は、交感神経と副交感神経から拮抗的な制御を受けています。
これらの自律神経は、全身の臓器を一斉に一方向に制御するものと捉えられており、個々の臓器に特化した精細な制御があるとはこれまで一般に認識されてきませんでした。共同研究グループは、マウスをモデルとして、消化管のぜん動運動をつかさどる腹腔神経節やアドレナリンの分泌を担う副腎髄質を制御する交感神経がどのような細胞種で構成されているのかを、組織学的な観察、網羅的な遺伝子発現パターン解析、ウイルスベクターを用いた遺伝学的な操作法を用いて調べました。
その結果、これらの交感神経は共に脊髄の下部胸髄に存在するものの、遺伝子発現パターンによって明瞭に区別することのできるサブタイプに分けられ、そのうちの一群は消化管のぜん動運動を低下させる機能を、別の一群は副腎髄質を介して血糖値を上昇させる機能を、それぞれ持っていることが分かりました。
ここにあるように、今までは臓器を個別に制御している体の仕組みはよく分かっていませんでした。
自律神経が全身の臓器を一斉に制御しているのであれば、一つの興奮の信号が全体にも連鎖してしまいます。
よくよく考えてみれば、臓器ごとに個別の制御をしている仕組みがあるのは当たり前の話です。
しかし、体のつながりを考えると、一つの臓器を活性化させる信号は、全体の働きにも影響を与えているでしょう。
例えば、東洋医学的には、胃の調子は肺の働きにも影響すると考えられています。
私はぜんそく持ちでしたが、食べ過ぎたりすると決まって呼吸がしづらくなることを感じていました。
さらに考察すると、臓器は必ず、個別の制御と全体としての制御の、二つの系統からコントロールがされているはずです。
人体は意外と分かっていないことだらけです。
人体の理解が進んだ時、ようやく代替医療の素晴らしさが理解されるでしょう。

