ヒスタミンは記憶に関係
現代版「わすれとんかち」目指す研究、カギは花粉症にもかかわる物質
あの、あれが、あれだ――。ドラえもんの世界ではひみつ道具で解決したこの現象。
覚えているはずなのに出てこない記憶を思い出しやすくするための研究を、名古屋市立大医学研究科の野村洋(ひろし)・寄付講座教授(神経薬理学)らのチームが進めている。
ドラえもんの作品では、この状態を「記憶をしまったタンスの引き出しが開かなくなった状態」と表現。
ひみつ道具「わすれとんかち」で頭をたたくと、その記憶が飛び出してくることになっていた。
野村さんらは、脳内の「ヒスタミン神経細胞」を活性化することを通して、思い出しやすくすることを目指している。
ヒスタミンは花粉症の症状などを引き起こす化学物質で、脳では覚醒などにかかわっているとされ、視床下部という場所にあるヒスタミン神経細胞でつくられている。
ヒスタミンの働きを抑えるタイプの花粉症薬には、副作用として眠気や記憶機能の低下が指摘されるものもある。
このため野村さんらは「逆に、脳でヒスタミン神経を活性化できれば、認知機能にかかわる脳の働きを向上できるのではないか」と考え、研究に取り組む。
昨年発表した報告では、遺伝子治療で使われる手法で特殊なたんぱく質をマウスのヒスタミン神経細胞に導入。
薬物を作用させて、ヒスタミンの放出を増やすようにしたところ、記憶を思い出させる課題の成績が高まった。
円盤の外周部付近に開けた20個の穴のうち一つだけに、マウスが避難できる箱を設置。箱のついた穴の位置をいったん覚えさせ、1週間後に同じことをさせると、通常のマウスは穴の場所を忘れてしまうが、ヒスタミン神経を活性化させたマウスは、「正解」の穴により確実にたどり着くことができたという。
チームはヒスタミン神経細胞の働きについてより詳しい解析を進めていて、「より安全で確実な手法の開発につなげたい」(野村さん)としている。
体はうまくできているもので、同じ物質でも作用する場所によって、その働きを変えています。
例えば、セロトニンは、脳においては神経伝達物質であり、精神の安定に関わっていると考えられています。
しかし、セロトニンは腸でも働く物質であり、腸の蠕動運動に関わっています。
これはほんの一例ですが、体は実に効率的に働いています。
このヒスタミンの話も、無駄のない体の仕組みに驚くばかりです。
私は人よりも記憶力が良い方です。
ただ、暗記の能力とは少し違っていて、起こったことや話したことを長く覚えています。
意識をして覚えているというより、自然と覚えてしまうといった感じです。
それと関連するかどうかは分かりませんが、私は元々ひどいアトピー持ちです。
記憶力が良いというのは、もしかするとヒスタミン神経の活性が関係しているのでしょうか。
現代人は、花粉症を始めとして、多くの人が何らかのアレルギーを患っています。
現代は非常に情報過多であり、一日の情報量は平安時代の人の一生分であるという試算があります。
もしかするとアレルギーは、これに対する体の反抗でもあるのかもしれません。

