読書録 vol.6

美容常識の9割はウソ 落合博子

筆者は形成外科医である。
形成外科とはあまり聞き慣れない医療分野であるが、身体表面の傷や変形をきれいに治すことを主な目的とし、顔や手足などのケガ、顔面骨折、やけど、腫瘍、先天異常、皮膚潰瘍、再建および美容医療(美容外科)など、専門的な知識と技術をもって治療を行う診療科のことである。
つまり筆者は、再生医療研究室の室長という肩書を持つ、皮膚の再生のエキスパートである。

そんな彼女が美容情報はウソだらけと内情を暴露する。
よく肌の奥まで浸透するというのが化粧品の売り文句であるが、その肌の奥とは、角質層のことである。
角質層とは、皮膚表面の剥がれ落ちて垢となる部分で、死んだ細胞から成る層である。
化粧品業界においては、その死んだ細胞をいかに潤すかということに心血を注いでいるのだ。
これには果たして意味があるのかと筆者は問いかけている。

肌は外界からの刺激や異物から身体を保護するバリアである。
そのバリアに対して、外から刷り込んだり、温めたり、ラップをしたとしても、化粧品の成分が角質層から先には、絶対に届かない構造になっているのである。
大事なのは正常なバリア機能を邪魔しないで、バリアとなる皮脂を補強するようにケアするのが一番であると説いている。

その他、
・日本のオーガニックは認定基準がない。
・敏感肌用という表記はメーカー独自の認定基準であり、誰にとっても刺激がないという意味ではない。
・洗いすぎによる乾燥には注意、角質層が痛む原因になる。
・顔のマッサージは肌の線維組織を破壊する。
・肌は触らないほうが良い。
・肌のターンオーバーには6週間必要である。

などなど、今までの常識を覆す、目からウロコの情報が満載であった。

肌は最低限のお手入れをして、なるべく放っておくのが一番。
肌が生まれ変わるまでの6週間、シンプルケアで頑張ってみて下さい。
筆者はクリニックに来院した患者に、そう指導しているという。

しかし、本質を考えると、最も重要なのは今現在の健康状態ではないだろうか。
肌は、結局死んだ細胞あり、過去の状態を反映したものにすぎない。
どんなにお手入れをしようとも、日々の生活で不摂生をしていれば、効果も限定的なものになるだろう。
本文には書かれていなかったが、そのことがまず大前提であるように私は思う。