症例報告 40代 女性 左膝痛

数か月前から左膝が痛いという女性です。
鍼灸院に通っていたが、あまり良くならなかったということで来院されました。
膝の前面と裏が痛み、深くしゃがむことができないそうです。

診ると、左膝がかなり腫れています。
いわゆる水が溜まっている状態で、膝のお皿が浮いてしまうぐらいの、かなりの腫れ方です。
もともとは右膝が痛かったそうで、それが落ち着いたと思った矢先に、左が痛くなったとのことでした。

膝を細かく観察すると、膝自体の変形はありません。
膝の症状で多いのは関節のつなぎ目の痛みですが、そうではなく周りの筋肉の痛みです。
恐らく、膝の痛みは二次的な影響でしょう。

原因を探ると、左の胸に強く引っ張られる感覚があります。
聞くと、乳がんの手術歴があり、左胸は触れられると痛いそうです。
ここに大きな問題がありそうです。

傷は瘢痕化します。
手術は仕方がありませんが、これも傷の一種です。
筋膜に傷がつき、再生する過程で固くなり、他の組織を引っ張ることで障害を起こすのです。
傷跡がピリピリする、痛い等の違和感があれば、それは間違いなく瘢痕化している証拠です。

瘢痕化した組織が柔らかくなるように手技を施します。
不思議と瘢痕化した組織でも、触れているとだんだん柔らかくなるのです。
柔らかくなると、傷跡のピリピリも感じなくなってきます。

胸に対してのアプローチの後、腫れがだいぶ良くなりました。
胸部は循環に大きく影響する部位です。
足に対しても、かなりの体液の滞りが起こっていたのでしょう。

もともと痛かった右側も調べてみます。
どちらかというと、右側の方が動きの制限を感じます。
右の負担を左が代償していて、その結果、左膝が悲鳴を上げたのかもしれません。

これだけがすべてのファクターではありませんが、施術後は大分膝が良くなりました。
きちんと原因にアプローチが出来ていれば、身体は一瞬で変化するのです。