新しい自律神経
自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類がある。
長年、そのように考えられていましたが、近年、新しい理論が注目されています。
ポリヴェーガル理論という考え方です。
人間と動物の大きな違いは社会性の違いです。
人間は、言葉によってコミュニケーションをはかり、大きな社会という枠組みの中で生活しています。
進化の過程で、社会性を育むために発達した、第三の神経があります。
それがポリヴェーガル理論の肝となる腹側迷走神経系です。
脳から出ている副交感神経に、迷走神経という神経があります。
この迷走神経には二つの経路があり、その一方のお腹から出ている副交感神経が、腹側迷走神経系です。
逆に、背中側から出ている神経を、背側迷走神経系と言い、これが従来の副交感神経です。
交感神経は、活動時に活発になる神経です。
背側迷走神経は、休息時に活発になる神経です。
腹側迷走神経系は、他者とのコミュニケーションによって活発になる神経です。
大きく分けると、それぞれの神経にはこのような違いがあります。
刺激は、まず自律神経が反応し、その後で脳が出来事の意味づけをするそうです。
つまり、それを受け取る自律神経の反応によって、その刺激への解釈が違ってくるのです。
例えば、交感神経は闘争時に働くため、交感神経は私たちに行動の準備をさせます。
また、背側迷走神経は逃走時に働くため、大きな危険と感じるかもしれません。
腹側迷走神経系の場合は、社会的につながっている感覚をサポートするため、逆に、安らぎや落ち着きを感じさせます。
人間が幸福感を感じ、安らぎを得るためには、いかに腹側迷走神経系を働かせるかがカギとなります。
ポリヴェーガル理論は、今後さらなる研究が期待される、注目の理論です。

