死体とは違う
一昔前だったらピンとこなかった筋膜。
ブームもあって、今は誰もが知っている言葉なのかもしれません。
しかし、実際に筋膜を見たことはありますか?
筋膜は、スーパーのお肉屋さんでも確認することが出来ます。
鶏肉だと分かりやすいのですが、よく見るとお肉は薄い膜で覆われています。
その薄い膜こそが、まさに筋膜です。
売られている肉は見栄えや食感を良くするために、多くの筋膜が取り除かれています。
しかし実際には、筋膜とは全身を覆い、つなげ、支えている組織です。
鶏肉では分かりませんが、牛スジのようにある程度の強靭さもある組織なのです。
この筋膜、実は生体と死体では、見せる顔が違います。
死体では固く伸びない膜ですが、生体においてはゲル状で、流動性が存在するのです。
これは非常に重要なポイントです。
ゲル状であるから、筋膜は滑り合うことができます。
すべての動作は滑り合うことで成立しているので、滑らなければ、私たちは一切動くことが出来ません。
生体において、ゲル化は大変重要な特性なのです。
何かの不調が起きている場合、間違いなくどこかに癒着が起きています。
癒着が起きている組織は、筋膜のゲル化が失われた状態です。
ゲルから、流動性のないゾルの状態へと変化してしまっているのです。
しかし、施術のような刺激を入れると、またゲル化して流動性が戻り、癒着がはがれます。
このような性質は、死体の筋膜では見ることができません。
オステオパシーの開祖、スティル博士は、筋膜が病の始まりの場所であると言っています。
身体にとって癒着は、障害が起きるそもそもの原因なのです。
施術とは、筋膜を再びゲル状に戻し、滑りを取り戻すための行為と言えるかもしれません。

