ショートスリーパーのなれの果て

漫画の神様 手塚治虫氏。
生涯で残した作品は700作品で、その総ページ数は15万枚と言われています。
これはとてつもない数字で、今の漫画家にここまで描ける作家はいないでしょう。
手塚治虫によって、日本の漫画レベルは数段引き上げられたと言っても過言ではありません。

手塚治虫はそれこそ、寝る間を惜しんで仕事をしていました。
睡眠時間は平均3日で3時間、その生活を40年も続けていました。
創作意欲を表現するためには、何かを犠牲にする必要があります。
彼の不幸は、才能に溢れすぎていたというところなのかもしれません。
彼は60歳で亡くなりましたが、やはりそれは命の前借りをしていたからでしょう。

一方、今回の朝ドラの主人公であるやなせたかし氏。
彼は手塚治虫とは対照的に94歳での大往生でした。
とある対談で、このような話をしていたことがあります。

ぼくは手塚治虫さんには、
すごく感謝してるんですよ。
『千夜一夜物語』がヒットして、
手塚さんは「やなせさんのおかげです」と言ってね、
英国屋で背広作ってくれたんだ。
そして料亭に招待してくれたんです。
そうしてですね、「やなせさんの好きな映画、
うちのスタッフを使って何でも作ってください。
お金は全部ぼくが出します」というんでね、
『やさしいライオン』というのを作ったんです。
そうしたら、何と大藤信郎賞をもらっちゃった。
そうしてアニメーションの世界に入ってしまうんです。
ところが、自分でやってみると、大変なんだよ。
いやぁ、アニメーションと普通の漫画と両方描くのは
とても大変。これはできない。
どっちかを捨てなくちゃいけない。
結局ぼくはアニメーションを捨てたんですけど、
手塚さんは両方やってたんですね。
あれは無理ですよ。

あれで命を縮めたんだよ。
手塚さんが映画の絵コンテを描いてるでしょう?
すると、虫プロが呼びに来るんだよね。
「先生、来て下さい」って。
で、向こうへ行くと向こうでもやらなくちゃいけない。
また映画のほうへ来て‥‥これは無理ですよ。
『千夜一夜物語』の時に初めて手塚さんと一緒に
仕事をしたんだけど、大変! 寝ないんだ、全然。
赤坂の都市会館にですね、
スタッフ全部閉じこもってですね、仕事するわけですよ。
寝ないんだよ、全然。

ほんとうに超人なんでね。
あんなに仕事すれば、死にますよ。
それでしかもね、チョコレートをしょっちゅう食べる。
おまけに、宴会の後、またラーメン食べに行くんだよね。
とんこつラーメンみたいなの食べるんでね、
「体に悪いから食べないほうがいい」って言うんだけど、
「こんなもの、大丈夫だよ、平気だよ」って言うの。
もうお腹、こんなに大きくなってましたよ。
だから結局病気になって倒れてしまった。
あんなメチャクチャな生活してたからだよ。

いや、ほんとうにすごい人だったな。
でも石ノ森もほとんどそれに近い生活だった。
あれ、仕事した挙句、家へ帰って、
さらにビデオを観てたんだよね。
家にビデオが山のようにあってですね、
内外の映画を全部あの人は観てたんですよ。
だから彼もほとんど寝る時間がなかったんじゃないか。
あれをやると、やっぱり命縮めますよ。
やっぱりね、死んじゃうとおしまいなんだな、
どんな天才でも。
だから水木しげると俺みたいに寝てるやつはね、
死なないんだよ。あっはっは。

https://www.1101.com/yanase_takashi/2013-08-14.html


本当に睡眠が必要ないのであれば、進化の過程でなくなっても良さそうなものです。
しかし、無防備な状態が長く続くにも関わらず、進化はそれを選ぶことはしませんでした。
やはり、身体にとって睡眠が必要不可欠なものだからでしょう。

健康への第一歩はまずしっかりと寝ること。
睡眠をとらないのは良いことではないと、しっかりと自覚するべきなのです。