薬で治るという幻想

MOH。
決して新しいアイドルグループの名前ではありません。
これは鎮痛剤の使いすぎによって起こる頭痛のことです。

頭痛持ちの方は痛み止めを使うことが多いと思います。
しかし使いすぎによって、新しいタイプの頭痛が出てしまったり、元々の頭痛が悪化することがあります。
片頭痛や筋緊張性頭痛が基礎にあり、月に15日以上症状がある方がMOHに分類されます。

この原因としては、薬物依存、精神的要因、痛み調整機構の障害、脳の器質的な障害と言われています。
治療としては、薬の使用中止、予防薬の服用、患者への指導が一般的です。

西洋医学は病気の分類は得意ですが、根本へのアプローチは苦手分野です。
どのような機序で痛みが出ているのか。
その痛みの原因物質は何なのか。
痛みの受容体を薬によってブロックしてしまえばいいのではないか。
医療のスタンダードは最後の部分にフォーカスしている薬がほとんどです。

私が頭痛持ちの患者さんの頭を触って思うのは、とにかく頭蓋骨が固いということです。
頭蓋骨は、23個の骨がパズルのように組みあって、一つになった骨です。
全体としては固い骨ですが、元々一つの骨ではないため、関節間に微細な遊びがあります。
実はこの遊びが重要で、この動きは頭蓋骨内の循環に関係しています。

健康な人は関節間の遊びがあるため、頭蓋骨を押し込むと押せるような感覚があります。
しかし、頭痛持ちの方の場合、頭蓋骨がガチガチに固く、全く押し込むことができません。

施術をして頭の緊張が緩むと、頭痛が改善するケースは非常に多いです。
医学的なエビデンスでは説明されていませんが、整体的には、頭痛と頭蓋骨の関係性は常識です。
硬膜は痛みを感じる組織ですが、頭蓋骨を緩めることで循環が改善し、圧迫が緩和します。
すべてではありませんが、頭蓋骨の状態も頭痛には大きく関わっているなというのが私の実感です。

頭痛が薬によって良くなるのであれば、飲めば飲むほど症状は改善するはずでしょう。
しかし実際には、MOHが存在するように、逆に薬で酷くなることがあるということです。
薬は症状を抑えるものであり、症状は身体が良くならないと変化していきません。

症状が出ているのは、身体に問題が起きているからです。
そして、薬を飲んでも良くならないのは、すでに自己治癒力では回復が難しい状態だからです。
その状態から脱するためには、整体が必要かもしれないし、食事や運動の習慣が必要かもしれません。
さらには、家族の業を解決しないといけないのかもしれないし、精神面のケアも必要かもしれません。

多くの人は根本改善を望みますが、これは簡単な話ではありません。
解決のためには、自分の意識を変えて、行動し、自らの病気のパターンを変化させなくならないからです。
世の様々な治療法は、整体も含めて、どれも自分の気付きを助けるためのツールです。
薬で慢性病が良くなるというのは、ハッキリ言って全くの幻想なのです。