症例報告 70代 女性 右ひざの痛み

2~3日前から右膝の内側が痛くなってしまったという女性です。
今まで膝が痛くなったことはなく、初めての経験だと言います。
歩行時に内側部に痛みがあり、曲げても痛いと言います。
触って確認すると、膝関節の隙間や内側の筋肉の付着部に著名な圧痛が見受けられました。

何か思い当たることがないか聞いてみると、直接負担をかけたということは無かったそうです。
しかし、関係ないかもしれないが、カキフライでお腹を下したことがあったということでした。

傾聴という技術を使うと、膝の緊張がどこから来ているのかが分かります。
緊張の先をたどっていくと、下腹部でそれが止まりました。
特に右側の緊張が強く、どうやら盲腸から上行結腸にかけて問題が出ているようです。

やはりカキフライに当たってしまったのが影響しているようです。
大腸の緊張を緩め、腸全体の動きの制限も緩めていきます。

もう一度動きを確認すると、膝を曲げての痛みはなくなっています。
内側の筋肉の付着部を再度押しても、痛みは大分軽減されています。

さらにどこが邪魔しているのかを探ると、右足首も動きも関係しているようです。
右足首の動きをスムーズにしたところ、右膝の痛みがほとんどなくなりました。

お腹の緊張が膝の動きに影響することは珍しいことではありません。
筋膜の不連携や循環不全、神経への障害によって、間接的に膝に負担がかかってしまったのです。
この場合、いくら膝周りを緩めたとしても、時間の経過と共に症状は戻ってしまうでしょう。

症状の出ている場所は、ほとんどの場合は原因の末端にしか過ぎません。
当院は身体を丸ごと考えながら、症状の改善を目指します。

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