必ず代償する
厚底シューズの故障リスク…接地時間減って衝撃大、箱根駅伝制した青山学院大・原監督「ケガの場所変わった」
厚底シューズの開発競争が続く中、最近は厚底特有のケガの懸念も顕在化してきた。厚底は記録の伸びに大きく貢献してきたが、登場から5年近くがたち、リスクも併せ持つ現実が浮かび上がっている。
今年の箱根駅伝を制した青学大の原晋監督は、「今までは 下腿 部のケガが多かったが、最近は厚底の影響で、でん部回りの故障が増えている」と話す。
今回の箱根出場校の中でも、大腿骨や股関節周辺のケガに苦しむ選手が多く見られた。早大スポーツ科学学術院の鳥居 俊 教授(スポーツ医学)がシューズによる接地時間の差を調べたところ、薄底より厚底の方が約3%短かった。
さらに選手約400人を対象に行ったアンケートでは、厚底を履いた期間に股関節付近をケガした選手の割合が、厚底を履いていなかった期間と比べて2倍超となった。
鳥居教授は「3%は有意な差で、接地時間が短くなると1度ごとの衝撃は大きくなる。スピードが上がれば接地時間はもっと短くなる」と語る。
物事には必ず二面性があります。
厚底になってタイムが速くなったとしても、体への負担が減っている訳はありません。
この場合は、股関節がその負担を代償しているのでしょう。
これはスポーツにおける話ですが、関節の手術についても同じことが言えます。
変形性股関節症は、軟骨がすり減って直接当たることで痛みが出てしまいます。
関節軟骨の修復は難しいので、進行した股関節障害は必ず手術が勧められます。
軟骨が原因なので、手術をすれば確実に股関節は良くなります。
手術をすれば痛みで苦しむこともないし、外出が億劫になることもなくなるでしょう。
患者さん本人の生活の質は圧倒的に向上します。
しかし、物事はそう単純ではありません。
私が見ている印象だと、その後、他の部分に痛みを訴える方が非常に多いのです。
腰痛や膝痛、中には肩こりが酷くなったと訴える方もいます。
金属は骨よりも固い物質であり、手術前とは体のバランスが違います。
恐らく、他の関節が股関節の代償をしてしまっているのです。
体は一つのユニットであり、悪いところにすべて問題がある訳ではありません。
さかのぼって考えると、なぜ股関節の軟骨がすり減ってしまったのでしょうか。
やはり、そもそもが股関節に負担がかかるような体の使い方をしていたのです。
その状態が変わらない限りは、パーツを取り換えても、問題は解決していないのです。
局所への視点は大事ですが、全体として体を考えることはそれ以上に重要です。
体は一つのユニットであり、決して部分で動いている訳ではないのです。

