サウザー遺伝子
遺伝子の名前といってもあまりピンときませんよね。
なんとなくアルファベットと数字の羅列のようにイメージしがちですが、意外とそうでもないんです。
全力でウケを狙いにいった結果か、それとも大真面目に考えた末の暴走かはわかりませんが、思わず笑ってしまうような珍名・奇名の遺伝子がたくさんあります。
ここではその一部を紹介していきましょう。
最初に挙げるのは「サウザー遺伝子」です。
人気漫画『北斗の拳』に登場する人物・聖帝サウザーにちなんで名付けられました。
理由はこの遺伝子が内臓逆位(内臓の位置が左右逆になる先天的な奇形)に関連しており、劇中でのサウザーの設定と同じだったから。これを発見した研究者は「お前の身体の謎、見切ったぞ!」と言ったとか、言わなかったとか。
超人気ゲームのキャラクター名をほぼパクったようなネーミングの遺伝子も存在します。
それが「ピカチュリン遺伝子」と「ソニックヘッジホッグ遺伝子」です。
前者は動体視力に関する遺伝子で、後者は全身にトゲがあるショウジョウバエの突然変異に関する遺伝子です。
他にも名前の候補はいくらでもあったように思えますが、発見した研究者はその瞬間、すばやく駆け回る黄色いネズミや青いハリネズミのシルエットが脳内を駆け巡ったに違いありません。
過去に、内臓逆位の方にお会いしたことがあります。
北斗の拳では、キャラクターの神秘性を高めた設定でしたが、実際には心臓に異常を伴うことが多い疾患です。
その方も心臓に不安を抱えていて、とある研究によると、内臓逆位で成人まで生存する確率は5000万人に1人の割合だそうです。
漫画の話ですが、肉体的にも強いサウザーは奇跡の男とも言えるでしょう。
新たな遺伝子が見つかった場合、発見者である研究者が命名することができるそうです。
このサウザー遺伝子は、大阪大学の松野健治教授によって2006年に命名されたものです。
松野教授は、サウザー遺伝子の発見によって、内臓の位置には遺伝子が関わっていることを明らかにしました。
教授というとお堅いイメージがありますが、松野教授は北斗の拳の愛読者だそうです。
そのため、内臓逆位を有する聖帝サウザーに因んで名付けられたようです。
遺伝子の名前には、ピカチューやポケモン、スターウォーズのヨーダや羽衣や盆栽にちなんだものも存在します。
研究者は思っているよりも、みなさんお茶目な一面があるのかもしれません。

