本当に脳だけの問題?
5年前、「痛みの定義」が変わっていた⋯?「激痛」に悩んでいるのに「異常なし」と言われてしまう人の体内で起きていること
「手に小さなトゲが刺さっただけでも痛いのに、大きな椎間板ヘルニアや重度の膝の変形性関節症を患っていても痛くないことがあります。
つまり、痛みは『体の感覚』と『脳の不快な情動』の両方が揃って初めて、経験されるものなのです」
「痛みの背後には、生活や仕事の環境変化、更年期、睡眠障害などの要因が隠れていることがあります。
そうした患者の脳をさらに調べると、痛みを伝達する化学物質が増えていたり、逆に痛み止めの成分に反応しづらい状態になっていたりと、痛みを感じやすくなる変化が起こっているのです。
昔は原因不明の痛みは『心の問題』と言われていましたが、そうではなく、『脳の問題』であることが解明されつつあります」
果たして、本当に脳の問題だけであると言えるのでしょうか。
私は、各々の部位の機能の問題ではないかと考えています。
画像上はヘルニアの所見が確認できるのに、本人は痛みを感じていない。
見た目でも膝の変形が認められるのに、本人はいたって普通に歩いている。
年を取って骨が変形するのは仕方のないことであり、全くない人の方が少ないでしょう。
それが本当に脳の認識の問題なのかという点は疑問が残ります。
体を触っていて、これでよく痛くないなと思う時があります。
それは、痛みを感じやすくなっているケースより、痛みを感じなくなっている場合が多いように感じます。
腰の痛みがある場合、骨が動いていない場合がほとんどです。
腰骨の動きが悪くなっていると、荷重の分散ができず、腰の緊張を強めてしまいます。
膝の場合を考えても、骨盤の関節が閉まっている状態では、膝に力が集中します。
痛みは、体の分散機構がうまく働かず、その負担に耐え切れなくなった結果に起こっているような印象です。
現代医学では、画像の所見のような、形態的な問題ばかりをクローズアップします。
確かに、見た目で分かるようなはっきりとした所見は、原因を追究する上で分かりやすいでしょう。
しかし、腰痛の8割以上は原因不明であり、その論調で話をすすめるのには無理があります。
脳の原因もあるかもしれませんが、ほとんどの問題はきちんと機能していないことにあるのではないでしょうか。

