歯列矯正の後戻り

後戻りとは、歯列矯正後に歯並びが元の状態に戻ってしまう現象である。

歯科矯正は、組織の適応する性質を利用したものである。
外力に適応する性質を、矯正器具を用いて歯列を整えるという治療に応用している。
しかし、体にとって、歯列矯正後の状態はイレギュラーである。

歯が移動する際は、歯根膜、歯槽骨、歯肉が一緒に変化する。
歯根膜は、形状記憶のような性質持つため、歯を元の位置に戻そうとする。
長年その位置で機能してきた歯にとって、新しい位置は異質な場所であるからである。

また、歯槽骨や歯肉等の組織も、新しい位置に適応するために再構築される必要がある。
さらに、口輪筋や頬筋、舌筋等の筋肉も歯並びには影響を与えている。
そもそも、歯並びは成長や加齢等でも変化していくため、これを安定させるのは至難の業である。

歯列矯正は、単純に、歯が移動すれば終わりというわけではない。
歯列とは複数の要因が絡み合った結果であり、言わば”後戻り”も必然なのである。