根本は医学の問題

訪問看護は「9割引きの格安マッサージ」…現役世代が重税に苦しむなかで「福祉の無駄遣い」がなくならないワケ

行き過ぎたご機嫌とりが原因なのか、利用者の中には訪問看護を「格安マッサージ」だと認識違いをしている場合もあるようだ。

「訪問看護を安価でマッサージを受けられるサービスと思っている人はいます。話を聞いてもらいながらマッサージを受けられて……まるでエステのデリバリーかのように。医療保険なので1割の自己負担で受けられて、しかも生活保護の人であれば負担額は0円です」

介護保険を利用する人の中には身体ケアが必要な場合もあるだろう。
利用する保険と目的の違いによって訪問看護(=医療保険)と訪問リハビリテーション(=介護保険)があり、利用者からすると紛らわしい。
先に足立さんが述べたように併用する場合もあることから、さらに混乱が生まれていると思われる。
しかし話を聞いていると、これも事業者側がサービスを過剰に提供したがゆえに、利用者側が認識違いを起こしている可能性も排除できない。

必要のない人にまで過剰なサービスが提供されており、ここから保険点数を稼ぐ構図が完成されているのだろう。
利用者側に保険医療を受けている意識の薄れがあるのかもしれないが、しかしこれを助長させているのは事業者側なのかもしれない。
それを裏付ける足立さんの最後の言葉がとても印象的だった。

「(身体ケアなどが必要な)重症患者さんの訪問看護は、どこもやりたがらない。逆に軽く話して終わる人は取り合いになるんです」

私も、開業前に訪問マッサージをしていたことがあります。
訪問マッサージを受けることで、良くなると思って受けていた利用者さんはどれぐらいいたでしょう。
気持ちがいいから、受けないよりはマシと思っている方の方が多かったように思います。

私が勤めていたところも、決して悪い事業者ではなかったと思います。
しかし、技術においては、あまり高いとは思いませんでした。
ただでさえ改善が難しいのが高齢者であり、さらに片麻痺や筋力低下が著しい人たちが相手です。
マッサージをして、少し関節を動かすだけでは、なかなか難しいでしょう。

そこでは、治療というスタンスで施術をすると、なぜか怒られるのです。
改善するというよりは、気持ちよく利用してもらうことに大事。
変わったことをして後で痛くなると困るから、普通にやってください。
私は当時、そんなことを言われたこともあります。

利用者さんには、なるべく気持ちよく。
点数が高ければ、うるさい利用者さんでも要望に応えるよう、上に指導されます。
本当に、大事なお客様という感じでした。

介護は必要だとは思いますが、介護事業者がこんなにも増えている現実を考えなくてはなりません。
そしてこうなっているのも、薬が病気を減らしていないからでしょう。
結局は、医学の進むべき方向が間違っていたから、起きている問題なのではないでしょうか。