人工真皮

人工真皮は、主に火傷や外傷などで皮膚の真皮層が失われた場合に、皮膚を再生させるために使われる医療材料である。
近年では、美容整形外科の分野でも、組織の補填や皮膚の薄い部分の補強を目的として用いられることが増えている。

整形手術での用途
鼻整形(鼻翼基部、鼻尖): ほうれい線や、鼻先の皮膚が薄くなってプロテーゼが透けて見えるのを防ぐために、クッション材として使用される。
目の下のくぼみ:目の下のくぼみやクマを改善するために、ヒアルロン酸や脂肪注入の代わりに用いられる。
傷跡の修正:広範囲にわたる傷跡や皮膚の陥没の修正。

【術式】
麻酔: 鼻部に局所麻酔を行う。
切開: 鼻の穴の内側(鼻腔内)を数ミリ程度切開する。
剥離(はくり): 切開した部分から特殊な器具を挿入し、鼻翼基部の皮膚と骨膜の間を剥がして、人工真皮を挿入するスペースを作る。
人工真皮の挿入: 適切なサイズにカットした人工真皮を、剥離してできたスペースに挿入する。

メリットとデメリット
[メリット]
長期的な効果: 一度定着すれば、半永久的な効果が期待できる。
自然な仕上がり: 時間をかけて自分の組織に置き換わるため、仕上がりが自然で、触った感触も違和感が少ない。
自家組織を採取する負担がない: 自分の耳軟骨や脂肪などを採取する必要がないため、身体への負担が少なく、手術時間も短く済む。
感染リスクが低い: 生体適合性の高い素材でできているため、人工物と比較して感染や拒絶反応のリスクが低いとされている。

[デメリット]
吸収率: 挿入した人工真皮の一部は吸収されるため、術直後の状態から多少ボリュームが減ることがある。
効果がマイルド: プロテーゼのように劇的な変化を出すことには向いていない。
ダウンタイム: 組織が定着するまでにある程度の期間が必要で、その間は腫れやむくみが生じる。
費用:20万円台後半から50万円程度が相場である。自家組織移植と比較して費用が高い。