脱水の恐ろしさ
【キック】24歳マサキが減量で倒れ死去、団体は今後の対策を発表
先月21日、キックボクシング団体INNOVATION(イノベーション)認定の興行『KAKUMEI KICKBOXING』で試合をする予定だったマサキ選手(村川真輝 24=多田ジム/INNOVATIONウェルター級8位)が、前日計量前に倒れ、救急搬送。
https://news.yahoo.co.jp/articles/91565b4a457548e62d1bc3a783512c5a791e6171
減量が原因で亡くなっていたことを事故の一週間後に同団体の公式ホームページで発表、今後の対応にも言及した。
減量が原因で亡くなる選手は珍しくないようです。
去年もプロの格闘家が、21歳の若さにして突然この世を去りました。
無理な減量による脱水が原因だったそうです。
なぜプロの格闘家は過酷な減量をしているのでしょう。
格闘技に興味のない方には不思議に思えるかもしれません。
格闘技の世界では、自分の体格よりも下の階級で戦うことが一般的です。
スポーツにおいて体は大きい方が圧倒的に有利です。
同じ体重だったとしても、体が大きければその出力には大きな差が生まれます。
極端な話、どんなに鍛えたネズミも、ガリガリでもゾウには勝てません。
格闘技の世界では、身長ではなく体重で階級が分けられます。
少しでも有利に戦うための手段が減量なのです。
しかし、そのためには大きなリスクを取らなくてはなりません。
勝つためには筋力を増やす必要があるのに、体重は減らさなくてはいけないという矛盾した状況です。
筋力を維持したまま体重を落とすには、体の6~7割に相当する水分を、極限まで減らす必要があります。
この行為は、うまくいけば減量できますが、常に死が隣り合わせです。
水分が4%減少すると、血流量は低下しますが逆に血液は濃くなります。
その影響で血圧が低下するため、失神する危険が高まります。
汗も出なくなるため、体温が異常に上昇します。
水分が7%減少すると、血圧の維持が非常に難しくなります。
体は重要な臓器に血流を優先するため、腎臓や腸が大きくダメージを受けます。
また腎臓がダメージを受けると血液が濾過できなくなるので、老廃物がどんどん蓄積していきます。
水分が10%減少すると、生命を維持することができません。
重要臓器にも深刻なダメージが及ぶようになり、やがては死に至ります。
格闘技は、最初から最後まで命を削る過酷なスポーツです。
苦しい思いをしたにも関わらず、戦わずして散ってしまったマサキ選手。
危険は承知だったとは思いますが、大変無念だったに違いありません。

